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蝉時雨 [戸外逍遥]

時雨、とは冬の季語だそうで
うだるようなこの季節
木の間ビル陰を問わず喧しく鳴き誇るセミの声にこの呼び名を与えた人は
単にその音だけを見立てたのではなくて
しぐれ、という響き自体に涼を求めたかったのかなぁ…

なんて
愚にもつかぬことをボンヤリと考えていたのは


それこそ単に
人とクルマとスピーカーから溢れる大音量の宣伝文句の混ざり合った
秋葉原の雑踏に背を向けて
のんびりと坂をのぼっていった先
およそ東京とは思えないほどの静けさの中でここぞとばかりに鳴き競っていた
こちらでは聞くことのない濃密な蝉時雨があまりに唐突だったからです。


そういえばこの時季お江戸に来たこと
あんまり記憶にないかもしれない。
いや、来たことはある。あるけれど

こういう場所に足を運んだことなかったんだ、今まで。


初めて訪れたわけでもないのに
今頃気づかされることってまだまだあるんですね。

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タグ:お江戸
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